Answer
先に結論
AIはアイデアを増やせる。だからこそ、何を採用し、何を捨てるかというブランドの判断基準が最初に必要になる。
01
AIを入れる目的は、制作速度ではなく選択肢の質を上げること
生成AIを使うこと自体は、ブランドの価値にならない。価値になるのは、従来なら比較できなかった複数の表現を短いサイクルで見比べ、ブランドに残すべき方向を人が選べることだ。
企画の初期にAIを置く場合も、最終成果物の責任はツールではなくチームが持つ。誰に何を感じてほしいのか、どこまで既存のブランド資産を引き継ぐのかを、生成前の言葉にしておく。
- 目的を「AIを使う」ではなく、伝えたい認識の変化で書く
- 生成した案の採用条件と、採用しない条件を同じ表に置く
- 公開できる素材と、検証用に留める素材を制作途中から分ける
02
先に決めるべきブランドの五つの基準
基準は抽象的な好みではなく、編集会議で再利用できる言葉にする。「かっこいい」だけでは案が増えるほど判断がぶれる。視聴者、印象、温度、避ける表現、証拠の置き場所までを一枚にまとめると、生成と編集の往復が速くなる。
特に重要なのは、AIが得意な表現と、実在する人や場所でしか出せない信頼を分けることだ。すべてを生成に寄せず、現場の声や実物の質感を残す部分を決めておく。
- 誰の認識を変えるのか
- 見終わったあとに残したい一つの印象は何か
- ブランドらしい色、速度、声、余白は何か
- 使わない表現や避ける連想は何か
- 完成後に根拠を確認できる素材はどこにあるか
03
作品に落とすときは、企画・生成・実写の役割を分ける
AI映像は、企画段階の世界観検証、素材づくり、編集上の補助など、工程ごとに向いている使い方が違う。工程を一括してAI化すると、いつの間にか表現の理由が分からなくなる。
IVS2025のAI CMや『Totally Startuped』のような作品を見るときも、AIを使った事実だけでなく、何を人が設計し、どこに実写や音楽を置いたかを読むべきだ。作品ページではその判断を確認できる形にしている。
- 企画では複数の方向を比較するために使う
- 生成ではルックや素材の候補をつくる
- 実写では人・場所・プロダクトの信頼を撮る
- 編集では媒体ごとの尺と情報量に合わせて再構成する
04
公開前に確認すること
公開直前にだけ権利や表記を確認すると、戻りが大きくなる。素材の出所、許諾、利用範囲、クライアント確認、生成物と実写の区別を企画書と制作台帳に残し、完成映像だけを見ても確認できる状態をつくる。
AIを使ったことを隠すか強調するかは、案件ごとのブランド判断である。重要なのは、説明できない表現を採用しないことと、視聴者に誤認を与える見せ方を避けることだ。


